ホテル清掃日誌

清掃会社の人間が日々思ったことを書いています

想い出の臭い

 月末・月初の事務作業に追われてしばらく更新できていませんでした。春休みになればまた忙しくなるのですが、その前に一息つけるかなというのが今の状態です。

 

 2月は私自身はそこそこ忙しかったのですが、全体的な稼働率はイマイチで、私の担当エリアの売上も近年稀に見る低さでした。前にも書きましたが、こればかりはホテルの稼働率次第なのでどうしようもないのですけどね。

 

 さて、ここまで客室の臭い対策について書いてきましたが、ここで私の想い出に残っている強烈な臭いのエピソードをいくつかご紹介したいと思います。

 

 まず、食品系の臭いで真っ先に思い浮かぶのが、本格的な包丁セットと大きな木製のまな板を持ち込み部屋で魚を捌いていた人。捌いた後の魚のアラがずっと部屋にあったので、部屋中に生臭い臭いが充満し、その日はその部屋を販売することができませんでした。しかも、クローゼットの引き出しの中に包丁とまな板を忘れていくというおまけ付き。思わず、「持ってきたならせめて持って帰れよ!」と叫んじゃいましたね。

 

 料理といえば、電気式のフライヤーを部屋に持ち込み揚げ物をしていた外人もいましたね。それも、臭いが籠もるから部屋の入口のドアを全開にして。廊下中に揚げ物の臭いが漂っていました。で、フロントに伝えて注意してもらったら、「揚げ物なんてやっていない」とシラをきるんですからね。ふてぶてしいにもほどがあります。

 

 香水系の臭いで想い出に残っているのはアジアサッカー連盟の理事として来ていたアラブの王子様御一行とミス・インターナショナルに出場する各国代表の女性たち。皆さん湯水のように香水を使っていて、ステイ清掃のため部屋に入るだけで頭が痛くなりました。もちろんチェックアウト後も臭いが残っていたので数日は部屋が販売できませんでした。

 

 最近経験した一番強烈な臭いは外国人の体臭ですね。ワキガなのか鼻がひん曲がるような体臭と、それを消すためか香水も大量に使用しており、体臭と香水臭が混ざった臭いはまさに窒息しそうなレベルでした。間違いなく私のキャリアで最悪の臭さでした。チェックアウト後の消臭も大変で、何しろ室内に3分いたら目眩がしてくるんです。「俺はウルトラマンかよ!」と一人でツッコミながら、3分おきに廊下に出て新鮮な空気を吸って深呼吸をして、また部屋に戻って消臭作業をするというのを繰り返しました。それでもこの部屋は臭いが取れず、3日間販売することができませんでした。

 

 以上、私の想い出の臭い特集でした。