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ホテル清掃日誌

清掃会社の人間が日々思ったことを書いています

訪日ブームの終焉?

ホテル業界の話

 昨日こんな記事を目にしました。

jbpress.ismedia.jp

 

 中国からのインバウンド(訪日客)の減少というニュースは最近よく目にしますが、世間の一般の方々にはあまり関係のない話なので恐らくは「ふーん」って感じでしょうし、中国嫌いな方々にはむしろ喜ぶべきニュースかもしれませんが、ホテル業界、特に清掃業者にとっては非常に深刻な問題です。

 

 というのは、一般的な都市部のシティホテルにとって本来1~2月というのは閑散期です。寒いせいか国内の観光客は少ないし、大規模な学会やイベントなども少ないので、稼働率が年間で最も低い時期に当たります。その時期に大挙してやって来る中国人客というのは非常にありがたい存在です(宿泊マナー等の問題はありますが)。

 

 ちなみに、春節シーズンのインバウンドというと中国本土からの訪日客ばかりがクローズアップされますが、同じ中華圏の台湾や香港、シンガポールなどからの団体も増えます。こちらは中国本土の客ほどマナーは悪くないのでまずまずの上客です。

 

 過去のデータを調べてみましたが、2014年までは春節前後に来るインバウンドの団体の数は少なく、私が関わっているホテルはどこも2月の月間稼働率は70%台で推移していました。しかし、2015年の春節前後にインバウンドの団体客が急増し、春節後も好稼働は続き、ホテルによっては2月の月間稼働率が90%近くまで上昇しました。これは一般的な業界の常識からすると2月としてはあり得ない数字です。例年通り閑散期で人手が少なくて済むと想定していたので、忙しすぎて人手の確保に苦労した記憶があります。結局、この勢いは年間を通して続き、そのまま2016年になだれ込んで、2016年も2月は平均すると85%以上の高稼働でした。

 

 中国からのインバウンドの勢いが明らかに鈍ったと感じたのは、去年の春頃からですかね。それまでは毎日のように当日到着予定の団体リストに中華系のインバウンドのエージェントの名前があったのですが、それが一気に減りました。たまに来る団体も以前のようにマナーの悪い人たち(ロビーで大声で騒ぐ、禁煙の部屋でタバコを吸う等)は減り、部屋から出るゴミも以前はラオックスの紙袋と大量の家電製品の空箱というのが多かったのですが、化粧品やお土産の袋などに変わりました。

 

 そのままの流れで今年に入り、今年は旧正月が1/28だったので例年より少し早かったのですが(旧暦なので日付は毎年変わります)、稼働率は一転して2014年以前の水準に戻ってしまいました。さすがに週末に重なった1/27と1/28は団体客と個人客でほぼ満室になりましたが、それ以降は中華系の個人客がチラホラ来る程度で、現在のところここ数年で最低の稼働状況となっています。

 

 おかげで、今年の1月は低稼働のため私の担当エリアの現場の一部は赤字でした。2月も稼働率が伸びないまま来ていますので、この様子では期待できそうにありません。春節の次にインバウンドが増えるのは桜の時期で、一昨年はこの頃も大量に団体が押し寄せたのですが、この様子では今年はダメでしょうね。半月ほど前の新聞記事で某老舗ホテルがインバウンドの比率を大幅に引き上げると言っているのを見ましたが、「今頃そんなことを言っているのかよ!」と思わず突っ込んだのは私だけではないはずです。このホテルのインバウンドは中国からの団体客がメインなのに、それをどうやって増やすというのか激しく疑問に思います。