ホテル清掃日誌

清掃会社の人間が日々思ったことを書いています

GWと修学旅行

 まただいぶ間が空いてしまいましたが、月末の事務処理の終われ、それが終わったと思えばGWに突入し、色々と忙しくしておりました。

 さて、去年に比べて祝日の並びが良かった今年のGWですが、蓋を開けてみれば稼働は例年とさほど変わりませんでしたね。ホテルによって多少は違いましたが、平日の5/1,2はあまり稼働は伸びず、5/3,4がピークで、5/5で若干稼働が落ち、5/6は全然ダメという感じでした。いくら並びが良くても長い休みを取れる人は限られる、という日本社会の現状がよくわかった気がします。

 例年ですとこの時期はメイドのやり繰りに苦労するのですが、今年は幸いなことに私の管轄エリアのホテルでは5/4~5/6に行われたあるイベントのお陰でステイ(連泊)が多く、メイドが足りなくても何とか乗り切ることができました。ステイが多くなければもう終わりというぐらい人手不足な現場もあるので、これは本当にラッキーでした。ただ、次の山場であるお盆休みはこうはいかないことは重々承知しております。それまでには人手を確保しなければいけないのですが、募集コストをかけても人は集まらずもうどうしようもないのが現状です。

 とりあえず、今週は笑ってしまうぐらい稼働が低くて一息つけるのですが、ホテルによってはこれから修学旅行が増えてくるので、また忙しくなってきます。修学旅行と言えば旅館の大部屋で枕投げというのが定番だった私の年代の人間には信じられないのですが、今の子供達は修学旅行でシティホテルに泊まるんです。それも小学生が1泊2万円以上するような外資系シティホテルに。私なんてプライベートでも滅多にそんな高いホテルに泊まらないんですけどねぇ。世の中変わったものです。

 ちなみに、修学旅行を受け入れるとホテル側にとってどういうメリットがあるのかというと、基本的に修学旅行の生徒は3名1室です。私の知る限り、朝食付きで1人8~9千円程度が相場ですので、1部屋で2万5千円前後の売上になります。1泊2万円以上が相場のホテルでも、閑散期の平日には1万円台で部屋を販売することもありますので、その閑散期の平日に大人数で宿泊して、しかもほとんどの部屋がトリプルで2万5千円前後で販売できるというのはホテル側にとっては大きなメリットです。

 また、修学旅行というのは通常、地元の旅行会社を通じて企画されますので、ホテルの営業担当者がその地域の旅行会社に営業をかけ契約を取れれば、その旅行代理店を利用している同じ地域の学校が何校も続けて来るということになります。営業担当としてはこんなお手軽なことはありません。しかも、行き先が変更にならない限り修学旅行は毎年来るので、非常に安定した収入が見込めます。こんな美味しい話はないですよね。

 もちろんきらびやかな高級ホテルのロビーに制服姿の小中学生が集まって騒いでいる光景は一般のゲストから見たらあまりいい光景ではないので、ホテルにとっては間違いなくイメージダウンになりますし、それが顧客離れに繋がる可能性もあります。それを承知の上で修学旅行を受け入れるというのは、上記で書いたような金銭面のメリットが大きいのが理由です。どこも背に腹は代えられないというのが現状のようです。

 現場で働く者としては修学旅行に頼るようになったらシティホテルとしては終わりだと思うのですが、それでも泊まりに来る以上は快適に過ごしてもらって、ホテルっていいなぁと思ってもらえるように日々お仕事をしております。